ゼロの相棒
「このままじゃ、本当に犯人にされちまうぞ。
真犯人を俺たちで見つけるんだ。」
“真犯人を見つける”?
ゼロも、ブラッドの言葉に聞き入っている。
ブラッドは、にっ、と笑いながら続けた。
「せっかく都市中の時が、止まってるんだ。
リベリオンの上級魔法使いも、自力で解いているとしたら、見つけるのは今しかない。」
と、いうことは、私たち以外で動けている奴らが、真犯人ってこと?
それなら、すぐに見つけられるかもしれない!
「お前の魔法は朝が来れば溶けちまうんだろ?時間がないぜ。」とレオがゼロを見ながら言った。
たしかに、夜が明ければゼロは再び少年の姿に戻って、魔力を制限されてしまう。
町の時計台を見ると、もう二時を回っていた。
夜明けまで、残り約三時間しかない!
「俺たちも捜すの手伝ってやるから、お前らも早く行け!
見つけたら魔法で位置を知らせてやる。」
ブラッドそう言って、私たちに背を向けて走り出した。
「これは“貸し”だからな、ゼロ!」
レオも、ブラッドの後を追いかけていく。
ゼロは、大きく息を吸うと
「行くぞ、フィオネ。」
と私を連れて再び夜の町へと走り出した。