ゼロの相棒
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「くそ…どこにもいねぇ!」
ゼロが、辺りを見渡しながら叫ぶ。
夕方、私たちを森で追いかけてきた
低級リベリオンと思われる奴らは、時が止まっている状態で見つけたが、
ルークを誘拐したと思われる奴らには出会うことはなかった。
「ゼロ、朝が来るまであと一時間を切ったわ!」
私は時計台を見ながら言う。
本当にそろそろ見つけないと、魔法が解けてしまう!
ゼロはわしゃっ、と髪の毛を搔き上げる。
「都市から外には出てないはずなんだが……。」
ゼロが、ぽつりと呟いた、その時だった。
ぱぁっ!と東の空にまばゆい光が花火のように上がった。
私とゼロは、空の光に目を奪われる。
「ブラッドさんの合図だ!
行くぞ、フィオネ!」
ゼロは、光の方向に向かって
私を背に乗せて空へと舞い上がった。
高さが上がるにつれて、ゼロのスピードも速くなる。
ついに、犯人との直接対決になるんだ。
何としてでも、ルークを取り戻さなくっちゃ。