ゼロの相棒




小さな王子は、ゼロをまっすぐ見つめたまま、大きな声で泣き出した。



ブラッドたちも、真剣な表情でゼロとルークを見ている。




ルークは、ずっと父親の罪のことを子どもながらに気にしていたんだ。




ゼロが、お父さんを殺しにくるんじゃないかって

ずっと怖がっていたんだ。





こんな小さな体で、父親の罪を、被ろうとしていたんだ。





ゼロは、なにも言わなかったが、
その表情は、少し悲しそうで、優しくもあった。





その時、ガルシアがルークに向かって、イライラした様子で怒鳴った。




「あぁ、うるせぇ!


これだからガキは嫌いなんだ。」




ガルシアは、隣にいるルナータを見上げて言う。





「さっさとカタをつけようぜ、ルナータ!」





ルナータは、冷たい表情のまま、言い放った。




「ルークはこちらの言い分を、ダリシーンに聞かせるために使おうと思っていたが、作戦変更だ。


今、ここで殺す。」










“ここで殺す”……?!



その場の空気が、一瞬で張り詰めた。





ガーディアンは、その瞬間、魔力を放出する。




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