ゼロの相棒




「てめぇ…。フィオネまで巻き添えに
しようとしやがって…。


…俺は、相棒を傷つける奴は本気で潰しにかかるぞ。」




突き刺すような魔力が、ゼロの体から溢れ出す。




私は、ゼロが本気で怒ったところを
初めて見たかもしれない。





藍色の瞳は鈍く光り
それは見たこともないほど鋭く、冷たい。



ルナータと交戦していたガーディアンも、ゼロの方を見る。





その時、ガルシアがよろよろと歩いて
空を見上げた。



どうやら視力が低下しているようだ。





魔力も、ゼロによって少し封印されているらしい。



さっきまでとは、まるでオーラが違う。





「くそ…!こうなったら、城ごと町をぶっ壊してやる!」




ガルシアはそう叫ぶと、上空に向かって
猛スピードで飛びだした。





「待て!ガルシア!」





レオが叫んで、彼を追いかける。




それをルナータが後ろから羽交い締めにして食い止めた。





このままでは、都市がめちゃくちゃになってしまう…!





ガルシアが、城に向かって手を突き出した









その時だった。







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