ゼロの相棒






ガルシアの動きが、ピタリ、と止まって
彼の魔力がどんどん消えていく。





ぐらり、とガルシアの体が傾いた。





「うわぁぁぁ!!」





ガルシアは叫び声をあげながら、
落下していく。





数秒後、
どしん、と墜落する音が聞こえた。





一体何が起こったの?!





ブラッドたちや、ゼロも、状況がつかめず、ガルシアの落下した方を眺める。




すると、広場の脇の路地から、一人の男性が現れた。






一斉に、その男性に向かって視線が
集まる。











「!……ダリシーン……!」






ルナータが、低い声で言った。





そこに現れたのは、
紛れもない、この国の王。




ダリシーンだった。







「王がガルシアの魔力を奪ったのか…?」





レオが、驚いたように口を開く。





ゼロにやられていたとはいえ、
上級クラスの魔法使いを一瞬のうちに、
ただの人間にしてしまったの?





私は、信じられずに、ダリシーンを見る。



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