ゼロの相棒




「ガルシア!」




ルナータはガルシアに向かって叫ぶが、
彼からは返事がない。



墜落の時の衝撃で、意識を失っているようだ。





ダリシーンが、ブラッドとレオを見た。





「ガルシアをルーク誘拐と、都市破壊未遂で牢に入れる。

……地下にぶち込んでおけ。」





威厳のある低い声に、ガーディアンは
真剣な表情で返事をすると、


倒れているガルシアを抱えて歩き出した。




「……ルナータは逃げたか。
相変わらず魔力を消すのが上手い。」




ダリシーンは、辺りを見渡しながら言う。




そういえば、さっきまでここにいたはずのルナータの姿がない。





もう、都市の外に出たのかな…。





すると、ルークが、ダリシーンの方へと
走り出した。




「お父さまっ!」




ルークが、ダリシーンに
ばっ、と抱きついた。





「…怪我はないか、ルーク。
勝手に町を出歩くことは当分禁止だ。


……わかったな?」





ダリシーンは、いつもと変わらない低いトーンで、ルークにそう言ったが


その顔は、どこか優しそうに見えた。




< 206 / 508 >

この作品をシェア

pagetop