ゼロの相棒
「ガルシア!」
ルナータはガルシアに向かって叫ぶが、
彼からは返事がない。
墜落の時の衝撃で、意識を失っているようだ。
ダリシーンが、ブラッドとレオを見た。
「ガルシアをルーク誘拐と、都市破壊未遂で牢に入れる。
……地下にぶち込んでおけ。」
威厳のある低い声に、ガーディアンは
真剣な表情で返事をすると、
倒れているガルシアを抱えて歩き出した。
「……ルナータは逃げたか。
相変わらず魔力を消すのが上手い。」
ダリシーンは、辺りを見渡しながら言う。
そういえば、さっきまでここにいたはずのルナータの姿がない。
もう、都市の外に出たのかな…。
すると、ルークが、ダリシーンの方へと
走り出した。
「お父さまっ!」
ルークが、ダリシーンに
ばっ、と抱きついた。
「…怪我はないか、ルーク。
勝手に町を出歩くことは当分禁止だ。
……わかったな?」
ダリシーンは、いつもと変わらない低いトーンで、ルークにそう言ったが
その顔は、どこか優しそうに見えた。