ゼロの相棒
違う……違うよ、ジェノバ。
私は義務感なんかであなたと一緒にいるわけじゃない。
もちろん、感謝をしているから、という面もあるけれど
それ以上に
あなたを大切に想っているから。
本当の家族のように想っているから。
「……。ジェノバさんの気持ちはよくわかりました。」
ゼロの声がする。
「でも…。連れてはいけません。」
私はゼロの言葉の続きに全ての神経を集中させる。
ゼロは、一呼吸おいた後
はっきりとした口調で言い切った。
「俺と旅をする条件…。
それは“孤独”であることだ。」
私は、はっ、とした。
ジェノバもゼロの言葉を静かに聞いている。
「彼女にはあなたがいる。
別れを悲しむものがいるならば、俺の旅には連れてはいけない。」
ゼロの言葉は、私の胸に深くのしかかった。
その言葉の意味は、ゼロが背負っているものの重さを物語っているように感じた。
ゼロは……本当はどういう人なの?
今までなにを経験してきたんだろう。
あなたの旅はなにを目的としているの?
私にはわからないことだらけだった。