ゼロの相棒
ゼロは少し恥ずかしそうに言った。
「あぁ、つい癖でして。すみません。」とエドは軽く謝る。
「ところで、エドはどうしてここに?
都市のパトロールは大丈夫なの?」
私が尋ねると、エドは大きく膨らんだお腹を揺らしながら言った。
「このエドウィン。ルーク様の命を救っていただいたゼロ様と、フィオネ様を、
次の目的地までこのソリで送って差し上げましょう!」
えっ!、とゼロも私も目を丸くする。
「勝手にそんなことしていいのかよ?」とゼロが尋ねる。
すると、エドウィンは、大丈夫です!
と、胸を叩いた。
「ダリシーン様から頼まれたんですよ。
だから安心してお乗りください!夜にはご到着できるかと!」
ダリシーンが?
ゼロも信じられない、と言った表情をしている。
あれだけ今まで冷たい態度だったのに、
どういう風のふきまわし?
「ダリシーン様も、口にはあまり出しませんが、今回の誘拐事件のことをとても感謝されているのですよ。」