ゼロの相棒
第4章守護者と真相
第4章守護者と真相
「もう真っ暗ですねぇ……。
これから行く願いの町は、冬の気候ですが、防寒具は持っておりますか?」
ふいに、エドウィンが私たちの方を見ながら言った。
そういえば、東に進むにつれて、だんだん寒くなってきた。
頬に当たる風が冷たい。
ゼロがバッグをごそごそしながら言った。
「外套ならあるぞ。もちろんフィオネの分もな。」
ゼロは、バッグから外套を取り出すと私に手渡した。
ふわっ、と羽織ると、毛皮の感触が体を
包む。
結構厚めの生地で、さっきよりも寒さがしのげる。
エドウィンがソリを走らせながら言った。
「…ほら、町が見えてきましたよ。
あれが、“願いの町”ですぞ。」
こんなところに来るのは初めてですなぁ
と、エドウィンは呟く。
ソリの外を見ると、目の前には
都市とはまったく違う世界が広がっていた。
小さなその町には、淡いランプの明かりが点々と灯っている。
都市を“太陽”と表すならば、
この町は“月”だ。
「さて、到着いたしますぞ。降りる準備を!」