ゼロの相棒
ゼロもなんとなく私と同じようなことを考えているような気がした。
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それから数分登っていると、少し上の方に踊り場があり、太い柱に扉のようなものがついているのが目に入った。
「ここが彼女の部屋さ。……たぶんいるはずなんだけど。」
ジンは、そう言って踊り場まで登ると、
部屋の扉を叩いた。
コンコン、と乾いた音が塔に響き渡る。
ごくん、と喉がなった。
少し緊張感が漂い始める。
「ドロシー、いるのかい?ジンだよ。」
“ドロシー”という名前なんだ。
少しドキドキしてしまう。
すると、数十秒後、部屋の中から足音が聞こえてきた。
だんだんとこちらに向かってくる。
私たちが無言でじっとしていると、
キィ……
と音を鳴らして、部屋の扉が開いた。
そして私たちの想像していたものとは
まったく違う姿のシルエットが現れた。