ゼロの相棒
「え……お、女の子?」
私は思わず呟いた。
勝手に美人の女性を想像していたが、
扉を開けて出てきたのは、少年ゼロより幼い歳の女の子だった。
雪のような白い肌に、ぱっちりとした深青の瞳。
それは、どこかで見たことがあるような印象を受けた。
ゼロも珍しく驚きを前面に出している。
女の子がゆっくりと、ジンの方を見て
尋ねる。
「…ジンさん。……この人たちは?」
鈴の音のような声が塔に響く。
彼女は、少し警戒して私たちを見上げた。
「この人たちは僕の友人たちだから安心して。
少年の方がゼロで、女性の方がフィオネちゃんだよ。」
ジンの説明にゼロは少しムッとしたが
そのことには深く触れないでおこう。
女の子は私たちをじっ、と見つめると
「ドロシーです。……よろしくお願いします。」
と、ぺこりと頭を下げた。