ゼロの相棒





ジンは、ゼロに興味津々なドロシーに
優しく尋ねた。




「僕ら、塔のてっぺんまで登りたいんだ。案内してくれないか?」




すると、ドロシーは、こくん、と頷くと
深青の瞳を輝かせ始めた。




私たちの体がその光に包まれていく。




その瞬間体がふっ、とその場から消えた。






****



次に気がついたときには、上には広い青空が広がっていた。




てっぺんまで瞬間移動したの?





ゼロが驚きながらジンに言った。


「瞬間移動はラグナの十八番じゃねぇか。なんでこいつが使えるんだ?」


すると、ジンはドロシーの頭を撫でながら言った。



「この子は特殊な魔法を使えてね。
一度教えてもらった魔法は、どんなものでも使いこなせるんだ。

今のは、都市に行ったときに、ラグナから伝授されたらしい。」




私は改めてドロシーを見た。




すごい魔法使いなんだな…。




ラグナの魔法まで使いこなせるなんて。



もしかして、ゼロの魔法も使えるのかな?




ジンは私たちを見ながら続ける。



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