ゼロの相棒




「昨日の地震のあった夜、塔から丘に向かって放たれた邪封の矢の魔法は、僕が彼女に教えたものだしね。」




確かに、ジンは星の町で、魔族狩りの奴らに襲われた時、光の矢のような魔法を使っていた。




その時、ゼロが速足で歩いて、塔から東の方角を眺めた。




私は、ハッと気づいて彼の隣に並ぶ。






「わぁ………。」







そこには、広い、どこまでも続く大草原と、小高い丘が見えた。






あれが……“最果ての丘”……。






この町からも少し離れてはいるが
とても広い場所だ。



どこからが最果ての丘なのかわからない。



ゼロを見ると、今までに見たこともない
くらい、澄んだ瞳をしていた。


藍色の瞳が静かに輝く。




ゼロは、一言も言葉を発しなかった。



ただ、その横顔は今までとは違う、
“決心”の色を感じさせた。




ジンが、ドロシーに尋ねる。



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