ゼロの相棒
「最近、丘の様子はどうだい?何か変わった様子は?」
すると、ドロシーは顔色を変えずに言った。
「ナイトメアの魔力が強くなっているような気がするわ…。
でも、それに比例するように、王の封印魔力も強くなっている。」
私とゼロは、ドロシーの方を振り向く。
「この均衡が崩れない限りは、封印が解かれることはないわ。
丘に一番近いこの町にも、被害は出ないだろうし…。」
ドロシーが静かに呟いて、そして少し不安げな表情を浮かべて続ける。
「でも、あんなに大きな地震が起きたのは昨日が初めて。
いつもよりも魔力を使った矢じゃないと、収まりがつかなかったの。」
昨日から?
私たちが町についた辺りだ。
どこか、この国で異変が起きているのだろうか?
「そういえば、ゼロたちがこの町に来る少し前に、妙なオトコが町に来たんだよな。」
ジンが思い出したように
ぽつり、と呟いた。