ゼロの相棒
「地響きはもちろんそうだけど、人間にも感じられるほどの大きな邪悪な魔力が辺り一面に放出されて、天気も悪くなるの。」
そうなんだ……。
私は、ナイトメアの復活が近づいて来ているのかもしれないと不安になったが
ドロシーがまだ大丈夫と言うなら、たぶん大丈夫なんだろう。
「黒マントの男のことも気になるけど、
“その時”が来たらすぐにわかるわ。
今は、ここでナイトメアの魔力を抑えることで精一杯ね。」
私たちは、その言葉を黙って聞いていたが、やがて、ゼロが口を開いた。
「王以外の魔力は、あそこでいくら放出されたとしても問題はないんだろ?」
私は、その質問にどきっ、と胸が鈍く鳴った。
ゼロはあの場所で魔力を使うつもりなの?
それも……“大きな”。
ドロシーは、こくん、と頷いた。
「ナイトメアは、百年前の王の魔力以外には反応しないから。」