ゼロの相棒
「…遅くなった。……悪い。」
それは、黄金の髪の毛に、藍色の瞳。
「……ゼロ?」
しかし、昼間まで一緒だった、あの少年ではない。
月が出ない夜にしか会えないはずの、
“青年ゼロ”だった。
私は急いで部屋のベランダに出る。
夜空を見上げると、そこには静かに月が輝いている。
…どうして……?
部屋の鍵を閉めたゼロに、私は駆け寄る。
「どうして元の姿に戻れたの?…今日は朔の日じゃないのに……。」
すると、ゼロはまっすぐ私を見て短く言った。
「ジンに魔力を移してもらったんだ。
……でもこの姿は長くは持たない。」
体力がいつもより奪われているような気がする。
「ゼロ、ジンと一緒じゃなかったの?」
私は動揺を隠しながら言う。
「あいつは、今日は帰ってこないよ。」
「え?」
私は彼を見上げた。