ゼロの相棒
「………っ?!」
ゼロの体温が、服越しに私に伝わってくる。
え…え?
何が起こっているの?
ゼロは、そんな私の動揺をすべて吹き飛ばすかのように私を強く抱きしめた。
星の町の時とは違う、もっと心の奥の方から湧き出てくる感情を、すべて私にぶつけているような感じだ。
こんなにゼロに強く抱きしめられたことなんてない。
「…ゼ…ゼロ?どうしたの?」
私の問いに、ゼロは答えなかった。
ただ、私を離そうとはしなかった。
その時、私は抱きしめられたまま、ベッドに押し倒される。
「ゼロ?本当にどうしたの?
…何かあったの?」
すると、ゼロが、ふっ、と私の横に手をついて、私を見下ろす。
窓からは月明かりが差し込んで、静かに私たちを照らしている。
私たちは、無言のまま見つめ合う。
心臓が、感じたこともない速さで脈を打っている。
ココアの甘い香りが私たちを包んだ。
その時、ふっ、とゼロが私の首もとに顔をうずめた。
ラグナからもらった星のネックレスがチャリ、と音を立てる。
「……んっ……。」
ゼロは、私の首筋に“跡”をつけた。
触れられたところから甘い熱が身体中に広がる。
私は、熱を帯びた瞳でゼロを見た。
ゼロは、苦しそうに呼吸をしながら
私をぎゅっ、と抱きしめた。
夜が、静かに更けていった…。