ゼロの相棒
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次の日、目を覚ますと
隣にはゼロがいなかった。
昨日はあれから抱きしめられたままで
そのまま二人とも眠りについた。
ゼロが……いない…?
私はベッドから急いで起き上がる。
嫌な予感が頭をよぎった。
「……ゼロ?…ゼロ!どこ?」
私は必死に彼の名を呼んだ。
すると、ゼロが、ガチャと扉を開けて部屋に入ってきた。
少年の姿に戻っている。
私は、その姿を見て
ほっ、と胸を撫でおろした。
しかし、ゼロの表情は、見たこともないぐらい冷たい。
私は、彼の方をじっ、と見た。
「……ゼロ、あの……」
“昨日はどうしてあんなことを……?”
そう聞こうと、口を開くと
ゼロが私の言葉を遮った。
「フィオネ。……大事な話があるんだ。」
“大事な話”…?
私の胸は、どくん、と鈍い音を立てた。