ゼロの相棒






「…な…何?」





自分でも、声が震えているのがわかる。





怖がってるんだ。





この先の、ゼロの言葉を聞くことを。








ゼロは、私の方を見ないで静かに言った。





「……俺の、旅の“目的”のこと。」






ごくん、と喉が鳴った。




体じゅうの体温が下がるのを感じる。







“目的”……?





やっと、“その時”が来たっていうこと?





私は、不安と同時に聞きたい、という気持ちが込み上げくる。







絶対…いい話ではない。






心のどこかではわかっている。







ゼロはゆっくり話し始めた。






「俺は、最果ての丘に行って……

……自分自身に、ある大きな魔法をかけようと思ってるんだ。」






「それは……なんとなく気づいていたわ。」と、私は言う。






「何の魔法かも、わかってるのか?」






ゼロの問いかけに、私は首を横に振った。






すると、ゼロは続けて話す。





「俺は、元の姿に戻るために、ダリシーンが俺にかけたこの“呪われた魔法”を消し去る魔法をかけるんだよ。」






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