ゼロの相棒
そうか……。
“ゼロが元の姿に戻りたいと願っている”
それは、ラグナと話していた時にも感じていたことだ。
そして、ゼロの旅の目的にダリシーンの魔法を解くことが含まれていることを、わたしもある程度は予想していた。
「それは、俺の体の中にあるダリシーンの魔法を、一旦“外に出す”だけ、っていういたってシンプルな方法だ。
俺の体から移ってしまえば、この魔法の効力は一切なくなる。」
そうだったんだ……。
ゼロは続けた。
「でも、この方法には、強い魔力が必要だった。
……俺は朔の日にしか元の魔力を使えないから、日にちが限られる。」
そして、ゼロは何か、迷いをかき消すように、少し黙ると、そのまま話し続けた。
「魔力の方は、そこまで重要なことではなかった。元に戻れば、足りるからな。
………問題は、“その先”だった。」
“その先”…?
私は、ゼロから目を逸らさずに聞いている。