ゼロの相棒
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私は少し遠出をして、いつもより少し大きな果実や木の実を取ってきた。
今日は記念すべき日だ。
いつもより豪華な食事をしてもらいたい。
私は喜ぶジェノバの顔を想像して、顔が緩まずにはいられなかった。
「遅くなってごめんね!ジェノバ!今帰ったよ!」
私が家の扉を開けると、そこには見覚えのある少年がいた。
「あれ、ゼロ?戻ってきてくれたんだ!
聞いてよ、ジェノバの病気が治るかもしれないの…………」
私の言葉にゼロは微動だにしなかった。
直立したまま、こちらを見ようともしない。
……変なの。
私は、ゼロの横を通り過ぎて、部屋に入る。
「ジェノバ〜!帰ったよ〜!どこ??」
私は果実をたくさん入れた籠を持ったままキッチンに入る。
キッチンの机の上にはジェノバが突っ伏したままでいた。
「ジェノバ!帰ったよ!!起きてよ!」
私は籠を掲げる。
「ほら、見て?いつもより遠くに行ってきたんだ!美味しそうでしょ……?」
私の言葉に、まだジェノバは突っ伏したままだ。
「もぉ〜ジェノバってば!!」
私はジェノバの肩を軽く押す。
すると、
ガターンッ!とジェノバはそのまま床へと倒れた。
「ジェノバ…?」
私はジェノバを抱き起こす。
「どうしたの?ジェノバ!起きて!!」
揺すっても揺すっても、ジェノバは目を覚まさなかった。