ゼロの相棒
やめて……。
やめて……言わないで…。
想像を超えた悲しみが、私の元へと静かにやってくる。
少しずつ、確実に近づいてくる。
「それで、俺が旅を始めて、最初に訪れた町は、“闇町”だった。」
どくん。
「そこには、銀色の美しい髪を持った綺麗な“人間の少女”がいた。
でも、俺が探しているような、上級魔法使いはいなかった。」
どくん。
「でも、その少女は出会ったことが必然であるかのように、完璧に“条件”を満たしていた。」
どくん。
やめて……。
「少女は、“相棒になる”と言ってくれた。
でも、俺は迷っていた。
確実に…確実に“耐えきれない”とわかっているこの少女を連れて行っていいのかって。」
自然と、頬に涙がつたった。
でも、言葉が見つからない。
その時、ゼロは初めて私を見た。
その瞳は、まっすぐで、澄んでいて
初めて会った時のような迷いはなかった。