ゼロの相棒
さまよう心
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あれから私は、魂が抜けてしまったかのように一歩も動けなかった。
ずっと、ゼロの出て行った扉を見つめている。
ゼロ……。
私を、自分が元に戻るために、利用しようとしていたの?
確かに、私が死んでも、悲しむ家族はもういないけど。
それでも……。
私はあなたの隣で生きようって
決めてたの。
決めてたのよ?
涙は枯れ果てて、もう流れなくなっていた
心の傷は、想像以上に深くて、
私は悲しみの感覚が麻痺してしまった。
もう、死ぬのも怖くない気がした。
でも、私はゼロのことを責められる立場ではない。
傷つくのが怖くて、事情を深く聞かずに勝手についてきてしまったのは私だ。
ゼロは、最初から正直だったのに。
“必ずお前は後悔するぞ。”
ゼロの言葉が私の頭の中にこだまする。