ゼロの相棒
ジンの言葉に、はっ、とした。
明らかに無意識だった。
「そんなんじゃねぇよ。…ってか、お前
星の町にいた時のこと聞いてたのか?!
なんでレオのことも…?!」
動揺を隠しきれずに言うと、ジンはニヤリと笑って言った。
「都市のことはレオから聞いた。面白がって僕に連絡してきたんだよ。
星の町の時は図らずも聞こえてきたんだ。
壁が薄くてね。
……ちょっと興味はあったけど。」
壁が薄かった訳ねぇだろ!
明らかに聞き耳立ててたんだな。
こいつの魔法は魔法の矢以外にも
時空も場所も飛び越えるやつが使えるし
それで盗聴したとも考えられる。
レオも俺が嫉妬するだろうと気づいててわざとやったのか?
…いや、あいつはただフィオネを気に入っただけだな。
俺は、冷たい視線をジンに送った。
奴は平気な顔をしてにこにことしている。
…昨日のことは、さすがにこいつも魔力切れだっただろうから、知られてはないと思うけど…。
俺は、ふぅ、と息を吐いた。