ゼロの相棒







───最初は早く元に戻りたかった。





彼女に対して、罪悪感はあったものの、
元に戻ってしまえば、それでいいとさえ思っていた。






でも、フィオネと過ごしているうちに、
元に戻るとか、相棒のこととか、一切関係なく。





“彼女といたい。”と思ってしまっていた自分がいる。





利用する身で、“相棒に特別な感情を持つ”なんて、それは罪だと思った。





決して、やってはいけないことだと、
心に決めていた。








なのに。







俺は無意識のうちに、フィオネを………。











俺は頭をぶんぶんと振った。






そして、ジンの方を向いて言う。






「とりあえず、俺は宿に帰れないんだ。
お前が昨日泊まったとこを紹介してくれ」






すると、ジンは、ふっ、と意味深な笑みを浮かべた。






「階段は自力で登るんだぞ。」










……。





…は?








《ゼロside終》






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