ゼロの相棒
射手は丘を見据えて
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「相棒を解消はしないんだね。
………驚いたよ。そんなにゼロがいいのかい?」
その次の日、私たちの部屋にやってきたジンが言った。
“ゼロがいい”
改めて聞くと、すごい威力を持った言葉だ
急にドキドキして落ち着かなくなる。
ゼロは今シャワー中でこの部屋にはいない
ジンが私に尋ねた。
「ゼロのこと……意識してる?」
ぼんっ、と顔が赤く染まった。
今までは考えたこともなかったが
私は、“相棒”以上の関係を、無意識のうちに、ゼロに求めていたのかもしれない。
星の町で、ゼロに“相棒に特別な感情は持たない”と言われてしまった時、なぜだかわからないが、私はすごい衝撃を受けた。
今ならわかる。
私は、あの時からゼロのことを“相棒”以上だと思っていたんだ。
ジンが、そんな私を見て言った。