ゼロの相棒
「これから一ヶ月はこの町にいるの?」
ジンは私に尋ねた。
「…たぶん。この町から丘までは三十分もかからないみたいだから。
ゼロは、朔旦冬至の日の夕方に出発するつもりみたい。」
ジンは、「ふーん…。」と小さく言った。
私は、ふと考えた。
あと一ヶ月の命だとしたら……。
いやいや、諦めたわけじゃないでしょう?
私は自分自身に言い聞かせた。
もしかしたら、他のいい方法が見つかるかもしれないし…。
私が“耐え切れる”かもしれないし。
……でも、ダリシーンでも死ぬかもしれないっていうレベルなら、やっぱりキツイのかな……。
私は、ゼロに別れを告げられた時は、
このまま死んでしまってもいいと思った。
けど、やっぱり、命を無くすのは怖い。
それに、私はもっとゼロと旅をしていたい
それは我儘なんだろうか。
ゼロの“相棒”になることを再承諾した今、そんなことを言っていいものなのか。