ゼロの相棒
すると、ゼロが、すっ、と立ち上がって、部屋の扉を開けた。
「…なんとかするしかないんだろ?
ジン、行くぞ。
今から出発して、町からなるべく遠くの所で待ち伏せしたほうがいい。」
ゼロはそう言うと、すたすたと部屋の外へ出て行ってしまう。
ジンは、少し驚いたような顔をしていたがふっ、と笑うと、部屋の外へと歩き出した
「ドロシーはこの塔にいて、てっぺんから丘の調整を頼むよ。
フィオネちゃんはこの作戦が成功するように、ゼロに力を与えてやって。」
力を与える?
ジンは、にこっ、とウインクをするとゼロの後に続いて出発してしまった。
ドロシーは、丘から地響きがしたら、それを魔力で食い止める役目がある。
私は?
こういう時、己の非力さを痛いほど感じる
………とりあえず、この作戦が成功するように、全力で祈ろう。
私は、そう心に誓った。