ゼロの相棒
そうだ。
もし、ドロシーが倒れてしまったら、私が助けなくてはいけないんだ。
ジンのような治癒の魔法は使えないけど、何か私にも出来ることがあるはずだ。
ドロシーは、もやもやと考え込んでいた私を見て、ゆっくり口を開いた。
「フィオネさん、そんなに気張らないで大丈夫ですよ。
フィオネさんはここに居てくれるだけで、私の力になりますから。」
ドロシーの優しい言葉に、私はふいに涙が出そうになった。
「ドロシー、私にできることがあったら、なんでも言ってね。」
私がそう言うと、ドロシーは私をじっと見つめて言った。
「フィオネさんには、何か不思議な力を感じます。
……その正体は、私にはまだわかりませんが………。
きっとこの先、フィオネさんはとっても大切なキーマンになる予感がします。」
ドロシーの言葉の意味は、私にもまだよく分からなかったが、その時、胸のペンダントが、小さく光るのを感じた。