ゼロの相棒
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私は、そのあとドロシーの部屋で夜を過ごし、ゼロ達からの連絡を待った。
すると明け方に、てっぺんで待機していた私たちの元に、遠くから、何やら大きなシャボン玉のような物体が飛んでくる。
「ジンさんの魔力を感じます。
…フィオネさん、そのシャボン玉を受け取ってください。」
私は、ドロシーの言う通りに、割れないかと心配しながらシャボン玉を受け取った。
よく見てみると、魔法で出来たシャボン玉のようだ。いくら触っても割れることはない。
するとシャボン玉に草原の景色が、ぱぁっと映し出された。
驚いて見ていると、シャボン玉から、ジンの声が聞こえる。
『どう?これで僕たちの様子がわかるだろ?』
見えている草原の景色は、今ジン達がいる所の周りの景色のようだ。
すごいな…。魔法使いはこういう連絡の取り方が出来るんだ。
星の町でカーペットに過去の映像を映してもらった時の魔法と似ている。
これは、ジンの十八番の魔法みたいね。
シャボン玉を通して、こちらの声もゼロ達に聞こえているらしい。