ゼロの相棒




次の瞬間、身体が勝手に動いていた。



私は薬屋に飛び込む。



中にいた人々がぎょっ、とした顔で私を見た。




「今の話………本当なの…………?」




主人は少し眉を寄せて言った。




「あぁ、本当さ。盗まれると知っていて、誰が店を無人にするか!!


馬鹿なのはお前さ!!まんまと引っかかりやがって」




さーっと、血の気が引いていく。



今までの出来事が洪水のように頭の中に流れ込む。




「お前には町の連中がみんな迷惑してるんだ。

それを代表して、俺が今までの罰をお前に与えただけさ!」




呼吸ができない。



ジェノバを救うためだけに、今まで汚いこともしてきた。



ジェノバのためだけに。




でも、ジェノバは………。




私が一番守りたかった人は。




私が………………………………!





薬屋の主人が、私を睨んで言い放つ。




「本当に馬鹿なガキだな!!


お前もあのじいさんと一緒に仲良く死んでくれたらこれほどいいことはねぇよ!!」




歯を噛み締めすぎて、口から血の味がする。



悔しい……悔しい……………!




私の落ち度だ。


あんなにすんなりと、薬が手に入るなんて、おかしかったんだ。



あの時、薬屋の違和感にもっと疑問を持っていたら。



嬉しくて舞い上がっていたけれど、あの時、薬が本物かどうか見ていたら。





ジェノバは……



ジェノバは………………………………!






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