ゼロの相棒
「お前は……あの時の魔法使いのガキか?!」
主人が目を見開いてゼロを見つめる。
「フィオネ。家に戻るぞ。
俺がお前と……ジェノバさんの為にとっておきの魔法をかけてやる。」
そう言うと、ゼロは私を見る。
「ご……ごめん。足が動かな………」
ゼロは震えて動かない私の足を見ると、ふわっ、と私を抱き抱えた。
それは、あの少年にはできないことだった。
「ひゃっ……!」
「行くぞ。」
ゼロは私を抱えたまま、一面の星空へと飛び上がった。
「きゃぁぁぁ!!!」
飛んでる!!!
私、空を飛んでる!!
ゼロって、やっぱりすごい魔法使いだったんだ。