ゼロの相棒
その時、ジンが私の背中をぽんっ、と押した。
「フィオネちゃん、行きなよ。ゼロが元に戻ることは、二人の問題でもあるだろう?
ずっと“相棒”としてやって来たんだから」
ジンは、にこっ、と笑ってそう言った。
二人の問題……。
確かにそうなのかも…。
私は、ジンにぺこり、と挨拶をすると
ジンの背中を追った。
その時、ふと、ある考えが頭をよぎる。
私の中には迷いがあった。
もし、ゼロが他の方法が見つけたとしたら……?
私はどうなる?
私は、ぴたり、と足を止める。
ゼロは、私を“容れ物”にするつもりで闇町から連れてきた。
もう、ゼロから“容れ物”にはしない、
と言われた今。
今までみたいにゼロの隣に並んでいいの?
すると、くるり、とゼロが後ろを振り返った。
藍色の瞳と目が合う。