ゼロの相棒
「え……えっと…。」
私が返答に困っていると
べり、と私とレオの間にゼロとブラッドが割り込んだ。
「どこが“野暮用”だって?
お前は本当に…どうしようもないな!!
れっきとした“護衛任務”だろーがっ!!」
ブラッドがお馴染みの怒鳴り声で叱りながら、レオをギン、と睨んだ。
「“護衛任務”?誰のですか?」
私が尋ねると、ブラッドは私を見て口を開く。
「それは…「私だ。」
ブラッドが言いかけた時、二人の後ろから“黒マント”を羽織った灰色の瞳の男性が現れた。
「げ。」
ゼロが顔を歪める。
私はその人物の顔を見て叫んだ。
「ダリシーン!!!…………王…。」
つい、呼び捨てで呼ぼうとして、ダリシーンの視線が氷のように私に突き刺さる。
……ゼロの態度の理由はやっぱりダリシーンが原因だったのね。