ゼロの相棒
一人から二人へ
次の日の朝。
気がつくと私は自分の部屋のベットに寝ていた。
昨日は、あれから泣き疲れてゼロの隣で寝てしまったらしい。
ぼーっとしていた頭に、ふと、藍色の瞳の青年の姿が浮かんだ。
「……!ゼロ!!」
バン、と部屋の扉を開けて
全力で廊下を走る。
玄関を開けると、庭には黄金の髪の少年が立っていた。
私は、ぴた、と立ち止まる。
「お目覚めか?気分はどうだ?」
少年はこちらに背を向けていた。
「ゼロ……ここにいてくれたんだ。」
もう旅に出てしまったのかと思っていた。
私は、ゼロの背中に語りかける。
「ジェノバのことはまだ辛いけど、ゼロがいてくれたおかげでどん底からは抜け出せたわ。
本当にありがとう。」
それはよかった。と、ゼロは続ける。
ゼロは、まだ私に背を向けたままだ。