ゼロの相棒

ルナータの罠






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私は、魔法使いたちが出て行った後、ドロシーと二人で塔のてっぺんへと向かった。




私の手には、ジンが残して行った連絡用のシャボン玉がある。




これが…私の今日の仕事だ。




私は、大きく深呼吸する。






冷たい風が、私の頬に当たる。






その時。ドロシーが、丘の方を見て言った。






「なんだか……今日はどこか“違和感”を感じます…。」




「“違和感”…?」






私の問いかけに、ドロシーは小さく頷いた。





「何故か…丘が静かすぎるんです。ナイトメアの魔力をまったく感じません。


王の封印の魔力が、だんだん大きくなってきているようです。」







どういうこと…?





何かの前触れなのかな…。






その時、私は、首元にいつもとは違う熱を感じた。





驚いて見ると、ラグナから貰ったネックレスが輝いている。






……どうして…?





もしかして王の魔力に反応しているの…?








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