ゼロの相棒








それって………!




「いいの……?」




私はゼロをじっと見つめる。




すると、ゼロはまたくるりと私に背を向け歩き出した。




私が立ったままで彼の後ろ姿を見ていると


ゼロがぴた、と止まる。




そして叫んだ。





「置いてくぞ!相棒!!」





!!





「待って!ゼロ!!!」




私は、急いで少ない荷物をカバンに詰めると庭のジェノバの墓の前に立った。




そして手を合わせる。


心の中で、私はジェノバに語りかけた。




今まで、いっぱい迷惑をかけてごめんね。



私、最後の最後まで親不孝のダメな娘だったけど


あなたに会えて、本当に良かったと思ってるわ。




行ってくるね………


ジェノバ………!!




そう心の中で言うと、
ジェノバの声が聞こえた気がした。




『行ってきな。わが娘よ。広い世界を見ておいで。』




私は、ふっ、と微笑んで、空を見上げた。




私は小さな魔法使いに向かって駆け出した



銀色の髪を風になびかせて。





*第1章・完*
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