ゼロの相棒
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《ゼロside》
嫌な予感は、ずっとしていたんだ。
太陽が沈んで、俺の体が元に戻ってから。
まさか、あんなにも大量の黒マントが現れて、俺たちに襲いかかってくるとは思わなかった。
…フィオネがいなかったら、本当に危なかったな。
タッタッタッ!
俺はブラッドさんの指示通り、塔を目指しながら走っている。
それにしても…。
フィオネはなんであんなにも大きな魔力を使えたんだ?
いくらラグナの魔具に影響を受けたからって、あんなにデカイ魔法、そうそう使えるもんじゃない。
人間のフィオネにとっては、体の負担も大きいはずだ。
それは、俺が一番身に染みて分かっている。
素質だなんだ、の問題じゃない。
……もしかして…フィオネは…。
その時だった。
ザザザザ……ッ!
急にシャボン玉にノイズが入る。
?!
なんだ?!