ゼロの相棒
シャボン玉からは、鮮明ではないが、女の声が聞こえる。
……フィオネとドロシーか?!
その時、横の路地から、ブラッドが走って出てきた。
「ブラッドさん!シャボン玉からフィオネたちの声が……!」
「あぁ。塔で何かが起こっているようだ!急ごう!」
俺はブラッドと並んで町を走り抜ける。
その時、塔の方から禍々しい魔力を感じた。
!
これは………!
「ブラッドさん!」
俺は、ばっ、と彼を見る。
彼は塔を見ながら叫ぶ。
「あぁ、間違いなくルナータだ!」
くそ……!
よりによって、誰も魔法使いたちの男どもがいない時に……!
フィオネ……!
ブラッドも険しい顔をして言う。
「ドロシーの魔力が弱くなっている。
………何が起こっているんだ?!」