ゼロの相棒
俺は、必死にシャボン玉に向かって叫ぶ。
「おい!フィオネ!何があった?!」
すると、シャボン玉からは鬼気迫ったフィオネの声が聞こえた。
『ゼロ!助けて!!』
!
その直後、俺の持っていたシャボン玉が、パン!と弾けた。
ブラッドがそれを見て叫ぶ。
「誰かのシャボン玉が壊されたんだ!
………たぶん、それは……!」
…フィオネのシャボン玉…!
俺は、ぐっ、と体に力を込めた。
魔力を一気に放出する。
走っていては間に合わない!
塔まで飛ぶ!!
俺は、力強く地面を蹴った。
その瞬間、体が宙に舞い上がる。
俺は一直線に塔へと急ぐ。
ブラッドも、後に続いて飛び始めた。
上空から塔のてっぺんを見ると、倒れているドロシーが目に入った。
その近くには、黒マントの男と、銀髪の少女がいる。
その時フィオネがルナータに腕を掴まれた。