ゼロの相棒






ブラッドが、腕を組みながら口を開く。





「…確か、百年前の王も禁忌を犯して、
国を追われたと聞く。……彼と恋人の間に生まれた子どもが魔法の使えない人間だったからだ。


その子どもの子孫も人間。そのまた次も人間……という順序を繰り返していけば


フィオネさんが自分を、人間から生まれた人間だと思ってもおかしくはない。」





ダリシーンがその言葉に頷いた。






そうか……。






だからフィオネの両親は魔法を使えなかったんだ。





その順序のなかで、フィオネだけが、オーランドの魔力を受け継いだ状態で生まれてしまった。






………これは運命とでも言うべきなんだろうか。






レオがそれを聞いて、顎に手をあてながら言った。





「…って事は、ルナータがフィオネをさらった理由は、フィオネに塚の封印を解かせる為か?」





ダリシーンが「おそらくな。」と、頷く。





< 424 / 508 >

この作品をシェア

pagetop