ゼロの相棒





ルナータは、私の腕をぐっ、と掴んだ。





私は必死に抵抗したが、ルナータの力には到底及ばなかった。





「……いよいよだ…。
いよいよ、俺の長年の計画が幕をあける」




ルナータがぼそ、と呟くと


パァッ、と、腕のブレスレットが不気味に光る。






私は、その閃光に、咄嗟に目をつぶった。







その瞬間、私の頬に冷たい風が当たる。






目を開けると、そこには
果てしなく続く大草原が広がっていた。









こ…ここは……。





“最果ての丘”……?







闇の異次元の出口は、丘に直接繋がっていたんだ。






ここに来るのは初めてのはずなのに


何故だか、懐かしいような感覚がして、
胸がドキドキする。





これは、私の中に流れているオーランドの血がそう思わせているのだろうか。





無意識のうちに、緊張しているのがわかる。





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