ゼロの相棒
私は大きく息を吸って、辺りを見回した。
すると、数十メートル先には、小高い丘があり、そこには小さなお墓のようなものが建っている。
…あれがナイトメアが封印されている塚?
ルナータは、その塚を見つけると、わたしの腕を引っ張って歩き始めた。
「痛いっ…離して!」
大声で叫ぶが、ルナータは立ち止まる気配がない。
だんだんと、草原の周りに生えている木がざわざわと揺れ出した。
…私の魔力に反応しているの?
ルナータはまっすぐ前を見ながら言った。
「ナイトメアの魔力がだんだん増して来ている…。これは封印を解くのにそこまで時間はかからなそうだな。」
私は、ルナータに向かって鋭い視線を送りながら叫ぶ。
「さっきも言ったけど、私は魔力の出し方を知らないわ!封印を解くなんて無理よ」