ゼロの相棒
ゼロは、キッ、とルナータの方へと向き直ると低い声で言った。
「ルナータ…。俺も、ダリシーンの野郎のことは大嫌いだが、お前の思い通りにさせる訳にはいかねぇ。
……フィオネを返してもらうぞ。」
その言葉に、ルナータは、ふっ、と敵意
むき出しの笑みを浮かべてゼロに答える。
「…俺と一対一でやり合うだと?笑わせる……。
お前も、ナイトメア復活のための“駒”となってもらうぞ、ゼロ!」
次の瞬間。
ルナータは、カッ、と目を開いて
一気に魔力を放出した。
町であれだけの魔法を使っておきながら、まだこんなに魔力が残っているの…?!
あの魔具のブレスレットの力…?
ゼロも、再び瞳を輝かせ始め、戦闘状態に入る。
ゼロの魔力は、少年の時とは桁違いだ。
私にも、ひしひしと伝わってくる。
二人の魔法使いは、ほぼ同じぐらいの大きさの魔力を放ちあっている。
……ゼロ……!