ゼロの相棒
ジンは、「よかった、僕の浮遊魔法よりもずっと早く塔に着ける…!」と安心したように言った。
その時、東の森の方から強い光が上空へと柱のように放たれるのが見えた。
魔獣の吠える声も聞こえる。
すると、エドウィンは、ばっ、と私の方を向いて早口で言った。
「先ほど、空からナイトメアとガーディアンのお二人が戦っているのを見ました。
どうやら、相当追い込まれているようです。
フィオネ様、ブラッド隊長と、レオさんの事を頼みます!」
私は、エドウィンの言葉に大きく頷くと、光の放たれた方角に向かって走り出した。
そして、心の中で
意識のないゼロに呼びかける。
ゼロ………
私、どこまで出来るかわからないけど
あなたにもらった魔力で、ナイトメアを
倒しにいくわ
だから……
絶対死んだりしないで。
私を置いて行かないで。