ゼロの相棒
「フィオネさん、落ち着いて!
体の中の魔力を一点に集めるんだ!」
「前に魔法を使った時の感覚を思いだせ!」
ブラッドとレオの声が聞こえる。
前に使った時の感覚…?
そんなの無我夢中だったから覚えてない。
落ち着けったって、今、私が魔法を使えなかったら
この場にいる魔法使いは全滅だ。
それどころか、願いの町にいる人々や、この国に住んでいる人全てが死んでしまうかもしれない。
その人たちをみんな守り抜くなんて大役……果たせない…!
頭がどんどん混乱してくる。
その間にも、ナイトメアは私たち目掛けて魔力を放出し続けている。
灼熱の炎を吐き出したかと思えば、今度は凍えるような冷たい息を私たちに浴びせる。
その時だった。
レオが、どっ!と地面に倒れこんだ。
足が凍傷気味になって、動かせなくなってしまったようだ。
顔が苦痛に歪んでいる。