ゼロの相棒
「完全に月の光を絶った。
お前にこんな道を選ばせてしまったこと………心からすまないと思っている。
力の限り、協力させてもらうぞ。」
ゼロは、ダリシーンの言葉に深く頷いた。
ブラッドが皆に叫んだ。
「ゼロの呪いの魔法の力は相当なものだ。俺たちがその力に押し負けているようじゃ、成功はない。
絶対月の光を漏らすな!」
その場の魔法使いたちが頷いた。
その瞬間、ゼロが瞳を輝かせ始める。
「行くぞ………フィオネ!」
私は、魔力を放出させて歯を食いしばった。
二人の体が、魔法の光に包まれる。
ゼロは、苦しそうに目をぎゅっ、と瞑りながら魔力をどんどん放出していく。
辺りに生えている木々たちが、ざわざわと大きく揺れ始めた。
そしてゼロがカッ、と、目を開いた瞬間。
彼の体から、黒い靄が凄まじい衝撃波と共に私へと伝わった。