ゼロの相棒
そして、私の視線の先には
見慣れた黄金の髪の毛の人物が立っていた。
それは、いつも隣にいた少年の姿では
すでに、なく。
私を守ってくれたあの“青年”の背中だった。
空には、燦々と太陽が輝いている。
くるり、と花畑の中心にいた青年が
こちらを振り向いた。
「!」
藍色の瞳と目が合った瞬間。
二人の時間が止まる。
「……フィオネ…?」
いつもより少し低い声が私の名を呼んだ。
「……ゼロ。」
私は、彼に向かって歩いて行く。
彼は、無言で私を見つめている。
色とりどりの季節外れの花たちが、キラキラと太陽に照らされている。
ゼロまで後数メートルのところまで来た時
急にゼロが私に近寄って
ぎゅっ、と私を抱き寄せた。
「!……ゼロ……「よかった………。」
私の言葉をさえぎって
いつもと違う大きな体が、すっぽり包む。