ゼロの相棒






そして、私の視線の先には





見慣れた黄金の髪の毛の人物が立っていた。










それは、いつも隣にいた少年の姿では





すでに、なく。










私を守ってくれたあの“青年”の背中だった。








空には、燦々と太陽が輝いている。








くるり、と花畑の中心にいた青年が
こちらを振り向いた。











「!」













藍色の瞳と目が合った瞬間。







二人の時間が止まる。
















「……フィオネ…?」















いつもより少し低い声が私の名を呼んだ。









「……ゼロ。」










私は、彼に向かって歩いて行く。










彼は、無言で私を見つめている。









色とりどりの季節外れの花たちが、キラキラと太陽に照らされている。







ゼロまで後数メートルのところまで来た時


急にゼロが私に近寄って






ぎゅっ、と私を抱き寄せた。









「!……ゼロ……「よかった………。」








私の言葉をさえぎって
いつもと違う大きな体が、すっぽり包む。








< 504 / 508 >

この作品をシェア

pagetop