ゼロの相棒
体が緊張して動かなかったが、ゆっくりと私は彼に体重を預ける。
「ゼロ………元に戻れたのね。」
私の言葉に、彼は優しく答える。
「あぁ…。全部フィオネのおかげだ。
本当にありがとう……。」
まだ聞き慣れない低い声が、私の耳の近くで聞こえる。
体じゅうが、彼の言葉に反応している。
心臓の音が、どんどん大きくなった。
ゼロが、私を抱きしめたまま、口を開く。
「本当に……フィオネに会えてよかった。
もう……戻れないかと思ってた。」
私は、ゼロの背中にぎこちなく手を回した。
ぎゅっ、と彼を抱きしめ返す。
「ゼロ……覚えてる?私が、願いの町で言ったこと。」
ゼロが、私から体を少し離して、顔を見る。
その顔には、?が浮かんでいた。
私は、そんなゼロに向かって言う。
「…全てが無事に終わったら、最果ての丘で倒れた時に言った、言葉の意味とか……ゼロの気持ちとか
全部教えてくれるって。やつ。」