ゼロの相棒
ゼロは、ピクリ、と眉毛を上げた。
そして、私の見たこともないような優しい表情をして、私を見つめる。
「…そうだったな。
…“もう、フィオネなしじゃ、生きていけない”ってやつのことか?」
私は、顔を赤く染めながら、小さく頷いた。
ゼロの口から、はっきりと聞きたい。
ゼロは、私の瞳を見ながら言った。
「俺も、全てが終わったら、話したいことがあるって、フィオネに言ってあったよな。」
そういえば、ゼロは願いの町のカフェで、そう言っていた記憶がある。
今から聞く言葉は……全部ゼロの本音…。
ゼロは、私をまっすぐ見て、言った。
「言葉の通りだよ。……もう、俺はお前を手放せない。
フィオネは、もう、俺の一部だ。」
どくん。
胸がなる。
「それって………。」
私がそう呟くと、ゼロは、ぐっ、と私の手を引っ張った。
ぐらり、と、世界が傾く。
私は、そのままゼロの方へと引き寄せられ、二人はそのまま花畑に倒れこんだ。
「ここまで言ってもわかんねぇの?」
ゼロが小さくそう言うと、私の腕を持って、ぐるりと反転させた。
ゼロの整った顔が目の前に来る。
その視線から、目が離せない。
青年の姿だからかな。
いつも以上にドキドキして、息ができない。